読みやすくなった岩波文庫

古句を観る (岩波文庫)「読みやすくなった岩波文庫」(12月9日発売分)
岩波文庫では,既刊書目についても,順次,注やルビをつけ,活字を大きくしてゆったり組むなど,読みやすくするための改版を続けていますが,今回は以下の12点15冊が対象となり,12月9日に発売予定です。(岩波書店の紹介ページはタイトルと紹介文が入れ違っています。しかも13点あるし・・・)
■古句を観る(柴田宵曲)
元禄時代の無名作家の俳句を集め,それに評釈を加えたもの。今も清新な句と生活に密着したわかり易い評釈が相まった滋味あふれる好著。
■トリストラム・シャンディ(全3冊)(ロレンス・スターン)
内容・形式ともに奇抜そのもので,話しは劈頭から脱線また脱線,独特の告白体を駆使して目まぐるしく移り変る連想の流れは,いつか一種不思議なユーモアの世界をつくり出し,我々はただ流れに身を任せ漂うばかりである。
■みずうみ 他四篇(シュトルム)
若い日のはかない恋とその後日の物語「みずうみ」のほか,北方ドイツの詩人の若々しく澄んだ心象を盛った短篇を集めた。
■クレーヴの奥方 他二篇(ラファイエット夫人)
フランス心理小説の古く輝かしい伝統の最初の礎石ともいうべき名作で,他に『モンパンシエ公爵夫人』『タンド伯爵夫人』を収める。
■人生論(トルストイ)
人生とは善への希求であり,その努力にこそ人生の真の意義がある。善こそは人生の目的なのだ。それは人間にのみ与えられたあの理性の働き,即ち愛によって成される。
■木綿以前の事(柳田国男)
無数無名の人々は,その昔,いかなる日常生活を営んでいたか。衣服・食物・生活器具など女性の生き方と関わりの深いテーマをめぐる十九の佳篇のいずれにも,社会を賢くするのが学問の目的だとする著者の主張と念願が息づいている。
蝸牛考 (岩波文庫 青 138-7)■蝸牛考(柳田国男)
蝸牛を表わす方言は,京都を中心としてデデムシ→マイマイ→カタツムリ→ツブリ→ナメクジのように日本列島を同心円状に分布する。それはこの語が歴史的に同心円の外側から内側にむかって順次変化してきたからだ,と推定した。すなわちわが国の言語地理学研究に一時期を画した方言周圏論の提唱である。
■手仕事の日本(柳 宗悦)
各地に残る美しい手仕事を紹介しながら,日本にとって手仕事がいかに大切なものであるかを訴え,日本がすばらしい手仕事の国であることへの認識が呼びかけたユニークな民藝案内書。
■明恵上人集
栂尾高山寺に拠って,華厳・密教兼修の新しい教団の樹立につとめ,上下貴賤の信望を集めた明恵が,19歳から記録しつづけた「夢記」のほか,和歌,遺訓に弟子の手に成る「伝記」を収める。
■アリストテレス ニコマコス倫理学(全2冊)
古代ギリシアにおいて初めて倫理学を確立した名著。万人が人生の究極の目的として求めるものは「幸福」即ち「よく生きること」であると規定し,このあいまいな概念を精緻な分析で闡明する。
■永遠平和のために(カント)
世界の恒久的平和はいかにしてもたらされるべきか。カントは,常備軍の全廃・諸国家の民主化・国際連合の創設など具体的提起を行ない,さらに人類の最高善=永遠平和の実現が決して空論にとどまらぬ根拠を明らかにして,人間ひとりひとりに平和への努力を厳粛に義務づける。
■哲学の改造(ジョン・デューウィ)
人間は一箇の有機体であり世界はこの有機体の住む環境である。そして思惟や理論を含めて人間の諸活動はすべて環境に対する有機体の適応に他ならない。
■国家(全2冊)(プラトン)
ソクラテスは国家の名において処刑された。それを契機としてプラトンは,師が説きつづけた正義の徳の実現には人間の魂の在り方だけではなく国家そのものを原理的に問わねばならぬと考えるに至る。
(内容紹介は岩波書店による)