エミーリア・ガロッティ/ミス・サラ・サンプソン

エミーリア・ガロッティ ミス・サラ・サンプソン岩波文庫今月の新刊は,「酒道楽」(村井弦斎),「エミーリア・ガロッティ/ミス・サラ・サンプソン」(レッシング),「ペトラルカ=ボッカッチョ往復書簡」,「キケロー書簡集」の4点。年末年始,とくに帰省するわけでもなく,近場でウロウロと考えている人にとっては,なかなか楽しめそうなラインナップですな。
で,さっそく,レッシングを読んだわけですが,この戯曲は現在でもいろいろな演出によって舞台上演されているとのこと。エミーリア・ガロッティというお話自体は,結婚を約束している若い娘に横恋慕した殿様。その手下によって相手の男は殺害され,娘は館に拉致される。異変を知って館に駆けつけた娘の父親に対して,娘は辱めを受けるよりは殺して欲しいと頼み,父親の手で最期を遂げるという大時代的な悲劇。日本でも古くから知られた作品で,岩波書店からも大正時代に野村行一訳が出版されている。
レッシングは,1729年生まれのドイツの詩人,劇作家,思想家,批評家。ドイツ啓蒙思想の代表的な人物であり,フランス古典主義からの解放を目指し,ドイツ文学のその後のあり方を決めた人物である。ゲーテやシラー,カントなど当時のドイツ文学思想に多大な影響を及ぼした。岩波文庫にはほかに,「賢者ナータン」,「ラオコオン」,そして私にとっては懐かしい「ミンナ・フォン・バルンヘルム」がある。